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2007年11月 アーカイブ

2007年11月01日

解雇の決まり

解雇に関して以前は、30日以上前に解雇予告をするか、即時解雇でも給与1ヶ月分の手当て(解雇予告手当)を支払えば良しとされていました。
ところが、平成16年に労働基準法の改正があり、解雇に関しても大きく変更がありました。

解雇に関して変更された内容は、ただ30日以上前の解雇予告、もしくは解雇予告手当を支払えば良いというものではなく、解雇するに当たって「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇権の濫用として無効」という形になりました。

明らかに会社が解雇に関して、不景気が影響し、リストラなど解雇の濫用を防ぐために労働基準法が改正されたと思われます。
この改正により、解雇する場合はその理由を明確に記さなくてはならなくなりました。
更に就業規則には、解雇の理由について具体的に記載する義務が加えられ、また解雇予告された従業員は、会社に対しその理由についての書面を請求できるようになりました。

解雇予告や解雇予告手当、そのほか解雇に必要な手順などは、正社員もアルバイト・パートも基本的に同じです。
ただし、2ヶ月以内の期間の短期雇用契約者と、試用期間中で働き始めて2週間以内の者だけは、この解雇予告手当をもらうことができません。

最後に整理解雇(リストラ)は、近年の不景気の影響で多くの会社で整理解雇が実施されました。
それゆえ、整理解雇を行って良い条件は、厳しく設定されています。
その条件は4つあり、人員整理の必要性(本当に整理解雇が必要か)、解雇回避努力義務の履行(解雇以外の手段はないのか)、被解雇者選定の合理性(なぜその人が対象なのか)、手続の妥当性(従業員への説明、協議、納得があるか)の全ての条件がクリアされていないと、その整理解雇は無効となります。
ちなみに整理解雇と言う用語は、労働基準法に記載されている法律用語ではなく、裁判の判例から出てきた言葉です。

2007年11月02日

有給休暇という権利

日本人は、どうも権利の行使という行為が苦手のように感じます。
せっかく半年間勤務を続けて有給休暇をもらえたのに、結局使えずに終わってしまうことが少なくないようです。
有給休暇は、特別なイベントのために使うという使われ方が多く、会社によりけりだと思いますが、少々使い難い背景があるようです。

有給休暇は、労働基準法で定められている仕事を休む正当な「権利」です。
権利は、正当な範囲内であればどのように使っても、それは自由です。
例えば、有給休暇を使う理由として、上記のようなイベントがないといけないと思っている人は、その理由を聞かれたときに、それがないからダメだと思っているのかもしれませんが、基本的にそれは間違いです。

そもそも土日のような休日の過ごし方や、休日に仕事を休む理由を会社に報告するでしょうか。
そんなことは、もちろん労働基準法のどこにも書かれていません。
有給休暇も、この土日の休日と基本的に同じです。
仮に使う理由を会社から聞かれたとしても、答える義務はありません。
そして、その理由がないから使うことができない、ということもあり得ません。

また有給休暇中、会社からの連絡を拒否したいと思っている人が中にはいるかもしれません。
基本的には、これも従業員の自由です。
有給休暇が「休日」である以上、いつでも連絡が取れるようになどの「業務命令」を出すことはできません。
休日中の呼び出しなども含めて、それに応じなければならない義務はなく、また会社も従業員の同意がない限り強制することはできません。

労働基準法は、会社(使用者)と従業員(労働者)は対等な立場であるという原則があるので、有給休暇も従業員が一方的に行使できるというものではなく、会社にも正常な経営をするために従業員を使う権利があることを忘れてはいけません。
業務上正当な理由がある場合、会社は有給休暇の使う日をずらすよう命令を出すことは可能です。
有給休暇の使い方に関しても、会社それぞれ就業規則などで定めていますので、まずこれの確認が大切です。

2007年11月03日

休める日

休める日とは、まず「休日」という言葉が浮かんでくると思いますが、労働基準法上いくつか種類があります。
そもそも「休日」とは、予め定められている仕事をしなくても良い日のことを言います。
一般的には、土曜日と日曜日が多いようです。
労働基準法には、会社は1週間に最低1日、もしくは4週間に4日以上の休日を従業員に与えなければならないと定められています。
この休日に仕事を休むことに、特に申請や報告などはおそらく不要と思いますが、これが予め定められているという意味です。
基本的に休日に労働した場合は、休日労働に当たりますので、割増賃金が発生します。

また、休日には法定休日と法定外休日との2種類あります。
法定休日とは、繰り返しになりますが、労働基準法で定められている、最低限与えなければならない休日のことです。
労働基準法では、1週間に最低1日とあります。
現在、休日は一般的に土日に設定されていると思いますが、その内1日が法定休日に当たります。

一方、法定外休日とは、上記のように週休2日制の場合、法定休日ではないもう1日のことを言います。
法定外休日の労働には割増賃金は発生しませんが、週6日勤務になると大抵1週間で40時間を超えた労働になりますので、時間外労働の割増賃金が発生する場合が多いです。

そして、休める日には「休暇」というものもあります。
休暇とは、元々働かなければならない日に従業員が申請することで、休める日になる日のことを言います。
有給休暇や出産前後休暇、育児・介護休暇などがこれに当たります。
休日との違いは、予め休める日と設定されているか否か、という点です。

2007年11月04日

有給休暇の仕組

有給休暇とは、読んで字のごとく給料のある休暇になります。
これは、それぞれの会社特有の制度と言ったものではなく、労働基準法に定められているもので、会社はこれを備え付け実施する義務があります。

従業員が有給休暇を行使できるようになるには、以下の条件が必要です。
まず、6ヶ月以上勤務していることです。次にその内8割以上出勤していることです。
つまり当該労働者が、確実に「半年間その会社に所属し、仕事をしてきた」状況がないといけません。
この条件をクリアしている従業員に対し、会社は10日間の有給休暇を与える義務があります。
更に半年経過後は、1年ごとに勤続年数に伴って有給休暇が与えられます。
例えば、1年半経過後は11日、2年半経過後は12日と、この日数についても労働基準法に定められています。

また、有給休暇には(発生から)2年の有効期限があります。
2年間で1週間の有給休暇を使ったが、それ以降は未使用のまま2年が経ってしまった場合、残りの3日分は残念ながら消えてしまいます。
有給休暇を使わせることに関して労働基準法に定めはありませんので、自分の有給休暇日数を把握して使う必要があります。

有給休暇は、基本的に正社員だけに与えられるものと思っている人がいるかもしれませんが、アルバイトやパートでも有給休暇は上記の条件で発生します。
発生の時期は正社員の場合と同じですが、与えられる日数が1?7日という差があります。
これはアルバイトやパートは、人によって働いている時間に差がありますので、週何日働いてきたかにより日数が定められています。
また、有効期限に関しても正社員と同じ条件になります。

2007年11月05日

労働基準法と就業規則

自分の勤めている会社の就業規則を読んだことがありますか?
10人以上従業員がいる会社であれば、就業規則を作成し、備え付けなければならないと労働基準法に定められています。
就業規則は、記載条件をクリアしていれば、基本的に会社が自由に作成することができます。
更に、中身はどうあれ管轄の労働基準監督署に提出することができます。

もちろん、就業規則内で労働基準法に沿っていないものは、その部分は無効になります。
しかし、雇用に関しての問題は、従業員から訴え出ないと、それが表面化することはなかなかありません。
したがって、従業員がこの就業規則をある程度理解し、労働基準法に沿って作られているのかどうか、そのほか何が書かれているのかなどを把握している必要があります。

例えば、会社員になれば当然退職金はあるもの、と思われる人もいるかと思います。
しかし、退職金は設置義務のあるものではありませんので、当然あると思っていたのに、実はないということがあります。
退職金に関しては記載必須事項ではありませんが、就業規則にはそのような内容のものも含めて詳細な記載があります。

就業規則には記載条件があると言いましたが、始業と終業について、休憩時間および休日について、賃金の決定と計算方法・支払方法と支払の時期、昇給について、退職および解雇については必須事項となっています。
この必須事項以外の内容については、任意事項になりますので、記載がない場合は特に設定(備え付け)がないということになります。
このため、自分の勤めている会社の就業規則は、一度目を通しておいた方が良いと思います。

2007年11月06日

減給の制限

最近は好景気を迎えていると言われていますので、だいぶ少なくなったのかもしれませんが、バブルが終わってからの約10年間は、リストラや給料の減給という処分がよく見られました。
この「減給」についても、労働基準法の定めがあります。

減給する場合は、1回の減給額が平均賃金の1日分の半額を超えてはいけません。
更に、総額が1賃金支払期(月給であれば月給の金額)における賃金額の10%を超えてはいけません。
もし、この数値を超えるような減給を行う場合、2回以上に分けて処置を行わなければなりません。

減給は、懲戒処分の1つに当たります。
懲戒処分とは、一般的にけん責・戒告、減給や降格、出勤停止、懲戒解雇などがあります。
また、懲戒処分については、就業規則にその種類と程度に関する事項を記載しなければならないと、労働基準法において定めがあります。
つまり、懲戒処分として減給することがあるのであれば、その旨就業規則に記載しなさいということです。

では、就業規則に懲戒処分について記載がない場合は、従業員が会社に対しどんな不利益になる行為をしても、減給処分されることはない、もしくは減給処分をした場合は違法になるのでしょうか。
労働基準法に定めがあるにも関わらず、就業規則で定められていないということは、減給処分はできないと普通は考えると思います。
しかし、就業規則を作成していなかった会社で、懲戒解雇処分が認められた(裁判)事例があります。

それによると、たとえ就業規則に懲戒処分の記載がない場合でも、社会通念上許容される範囲内であれば、減給を含めた懲戒処分は可能です。
しかし、会社が当該従業員の行為によって受けた「多大な迷惑」が相当のもので、その処分が社会通念上妥当であると認められるものでなければならない、というところがポイントです。
いずれにせよ、懲戒処分については就業規則に記載しなければならない、ということに変わりはありません。

2007年11月07日

みなし労働時間制とは

様々な勤務スタイルのある中で、このみなし労働時間制と言う仕組も、近年よく使われているものです。
みなし労働時間制とは、労働時間の把握が難しい職種に適用できる、労働基準法に定められている制度になります。

みなし労働時間制は、従業員全てに適用できる制度ではなく、「労働時間の把握が難しい職種」とありますので、営業職や開発・研究職、企画職などの職種に適用できる制度です。
適用職種の条件などについては、労働基準法に定められています。
そもそもこの制度は、適用対象の職種においての労働時間の管理や作業の進め方、ペース配分などは、従業員自身に委ねた方が効率の面から見ても、効果の面から見ても良いケースが多いため、予め設定した時間を働いたとみなすことができるようにしたものです。

このように、みなし労働時間制とは、協定で設定した時間を働いたものとみなすものです。
一見、何ら問題のないように見えますが、例えば休憩時間を除いて8時間とされている場合、実際に10時間働いていたとしても、8時間とみなされてしまうということになります。
この考え方を利用して、残業代の削減をしている会社も少なくないようです。
また、不当な仕事量を与え、こなせないのは本人の能力不足として、これまた不当に時間を搾取し、意図的に従業員に裁量を与えていないというケースもあるようです。

自分の会社で、このみなし労働時間制を採用している場合、注意しなければならないことがあります。
まずは、労働基準法に基づききちんと届け出されているかどうかです。
みなし労働時間制は、適用職種や労働時間などを書面にして、管轄の労働基準監督署に届け出る必要があるものです。
次に、そもそも労務管理が行われているのかどうかです。
これはタイムカードなどで、従業員1人1人の労働時間などを会社が記録・把握しているかということです。
みなし労働時間制を採用しているからと言って、割増賃金などの残業代を支払わなくて良いということにはなりませんので、実際にはどれくらい働いているのかを会社は管理していなくてはいけません。
最後に、届出の内容と実態が合っているかどうかです。
これが合っていないと、正直とても怪しい会社と言わざるを得ません。

2007年11月08日

割増賃金の種類

割増賃金とは、会社が従業員に対して時間外労働や休日労働、深夜労働をさせた場合、それぞれの割合(割増率)を1時間あたりの賃金に上乗せして支払わなければならないものです。
もちろん、この上乗せされる割合(割増率)は、労働基準法で全て定められています。

間違いやすいところですが、俗に言う残業代とは厳密に言うと違います。
時間外労働ではない残業(法内残業)の場合、当然その労働時間に対して残業代が出ますが、割増賃金も支払わなければならない条件には当たりません。
ちなみに労働基準法では、残業代という言葉は使われていません。

まず、時間外労働とは、労働基準法にある法定労働時間(1日:8時間、1週間:40時間)を超えて労働することを言います。
この時間外労働の場合に上乗せされる割合は、25%以上です。「以上」ですから、27%でも良いわけです。

次に休日労働とは、会社の就業規則などで設定されている休日に労働することを言います。
この休日労働の場合に上乗せされる割合は、35%以上です。
ちなみに休日は、1週間で最低1日は設定しなければなりません。連続7日間労働させることは違法になります。

最後に深夜労働とは、22時?翌5時の時間帯に労働することを言います。
この深夜労働の場合に上乗せされる割合は、時間外労働と同じ25%です。
深夜労働と言うと、一般に制作業などの「徹夜」をイメージしますが、翌日の日の出を迎えなくとも、24時まで労働した場合は、22時から24時の2時間分が深夜労働に当たります。

割増賃金は、「1時間あたりの賃金×対象になる時間×上乗せされる割合(割増率)」の計算式で算出します。
また、1時間あたりの賃金は、「1ヶ月あたりの賃金÷1ヶ月の所定労働時間」で算出します。
1ヶ月あたりの賃金とは、いわゆる基本給のことを言い、各種手当などは賃金の対象になりませんので、ここを誤解してしまうとだいぶ違う数字が出てしまいます。

2007年11月09日

残業させるための約束

労働基準法では、基本的にその労働時間について、法定労働時間内で行うよう定めてあります。
会社は、従業員に対し残業や休日労働などを強制することを基本的に許されていません。

しかしながら、職種などによりやむを得ず、徹夜で作業をしなければならないなどの状況はよくあります。
それを予め会社と従業員間で、その内容について取り決める約束があります。
これを三六協定と言います。この名前は、労働基準法第36条で定められていることから付けられています。

三六協定は、会社と労働組合とで結ぶものです。
労働組合がない場合、会社と従業員の過半数を代表する者とで結びます。
時間外労働・休日労働をさせる理由、業務の種類、協定の対象になる従業員数、延長できる限度時間、労働させる休日、協定の有効期限を明記して、書面にします。

この協定書は、管轄の労働基準監督署に届け出るものですが、協定自体の拘束力はほとんどありません。
もちろん、三六協定は労働基準法で定められているものですが、届け出れば時間外労働と休日労働が違法にならない、という程度の効力しか持っていません。
元々、所定労働時間は法定労働時間を超えて設定してはならないものであり、所定労働時間は会社によって当然違いがありますので、各々就業規則などで定めてください、と言う趣旨のものです。

では、この三六協定を結ぶことに意味があるのでしょうか。
時間外労働と休日労働、およびそれに関する内容について、会社側と従業員側でお互いに確認し、お互いに納得しています、と言うことに大きな意味があるのではないかと考えられますが、何とも曖昧なものです。

2007年11月10日

残業代はいくら?

フレックスタイム制や裁量労働制など、その勤務スタイルは会社や職種により多くあります。
従業員1人1人によって様々になっている昨今の勤務スタイルですが、会社に「雇用」されている場合、そのスタイルは労働基準法に沿ってなければ、違法に労働させられているということになります。

労働基準法で言う労働時間とは、休憩時間を除いた働いている(作業のために拘束されている)時間になります。
これとは別に、法定労働時間というものがあります。
よく知られていることですが、1日につき8時間以上働かせてはならないという決まりと、1週間で40時間以上働かせてはならないという決まりのことです。

ここで疑問に思うことは、労働時間=法定労働時間ではないのか、ということです。
労働時間というのは、基本的に会社がそれぞれの基準で設定して良いものです。
正確には、会社が設定する労働時間のことを所定労働時間と言います。
したがって、所定労働時間と法定労働時間は同じものではありません。
会社によっては、所定労働時間が休憩時間を除いて6時間/日と設定している場合もあり得ます。
もちろん、所定労働時間は法定労働時間を超えて設定することはできません。

では、残業と残業代との関係はどうなるのでしょうか。
まず、残業とは何でしょうか。労働基準法で言う残業とは、「所定労働時間」を超えて労働することを言います。
例えば、1日の所定労働時間が6時間の会社に勤めていて、8時間労働した場合、2時間残業したことになります。

この場合は、2時間分の残業代は出るのでしょうか。
所定労働時間から2時間を超えて労働していますが、2時間であれば法定労働時間内です。
法定労働時間内の残業のことを、法内残業と言いますが、2時間分の残業代はもちろん出ます。
ただし、割増賃金(25%)を出すかどうかは、会社側で選ぶことができます。

もし、同じケースで残業時間が3時間あった場合、2時間分は法内残業になりますが、残りの1時間は法定労働時間を超えているので時間外労働となり、会社は割増賃金を支払わなければなりません。

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